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2011-05-13

老舗レストラン

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GR DIGITAL III + SILKYPIX

ゴールデン・ウィークは例によって海外出張であった。原子力安全のある分野の国際会議が、毎年1回、参加国の持ちまわりで開催されるのだが、今年はホストする国が無く、フランス・パリで会した。

これまで何度かパリで仕事をしたことがあるが、今回初めて、生粋のフランス人にパリの街を案内してもらった。歴史あるパリの中でも、大衆レストランで、かつ老舗の店を紹介してくれた。

パリでの仕事が40年以上にもなる方で、既に引退して音楽や絵画に親しみ、ヨットの帆走を楽しむという悠々自適の生活をされているが、この国際会議だけは、毎年、顔を出しておられる。しかし、皮肉なことに、今までパリでご一緒させてもらったことが無かったのである。

この店は、シャルティエという名前で、100年以上の歴史を持つとのこと。観光客にも地元フランス人にも大変な人気の店で、並んで待たなければならない。ただ、2人だと、すぐに席に案内してもらえた。

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GR DIGITAL III + SILKYPIX

このご老人、フランス以外の地で食事をするときには、静かな雰囲気の店を好まれていたが、シャルティエは、騒々しいことこの上無かった。生粋のパリジャンのようで、パリの人混みや喧騒をこよなく愛されているようである。別の日にもう一軒レストランに連れて行ってもらったのだが、そこもまた、大変な繁盛ぶりだった。

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GR DIGITAL III + SILKYPIX

頂いた料理は「ブルゴーニュ風牛煮込み」とでも訳せばよいだろうか。ブルゴーニュ地方のディジョンの料理で、シチューのように柔らかく牛肉を煮込んだもので、美味である。

フランスの研究機関の実験施設がディジョン近郊にあり、このご老人の後輩にあたる研究室長に案内してもらった際、「郷土料理を食べたい」とお願いしたらこの料理を注文してくれたことを覚えている。

料理は美味いが、シャルティエのもてなしは素朴そのもの。席は相席で、最密充填の感がある。客の回転はヨーロッパのレストランにしては極めて激しく、席が空けば、すぐに次の客が来る。ランチョンマットのような紙の敷物が交換され、新しいナイフとフォークがガチャガチャと用意される。

メニューはその日その日に印刷される紙一枚のもの。料理を注文しても電子的な記録は一切行われない。なんと、客のテーブルの紙の敷物に書きなぐるのである。隣の席の客の品まで書かれてしまう。そして、会計も同じ紙の上で筆算。現金払いしたが、果たしてクレジットカードを受け付けてくれるかどうか・・・。

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GR DIGITAL III + SILKYPIX

染みひとつ無いテーブルクロスの上に、美しい食器類が整然と並べられ、見た目麗しいフランス料理が音ひとつ立てず給仕される、いわゆる「フランス料理のレストラン」とは、まったく違った風情だった。

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