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2010-07-08

黒部の水量

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GR DIGITAL III + SILKYPIX

黒部峡谷のトロッコ列車でふもとまで降りてきた。宇奈月温泉である。トロッコ列車の駅は非常に立派だ。発着する便数も多いし、貨車の入れ替え作業も活気がある。

ここに電気記念館がある。黒部ダムの模型をはじめ、黒部峡谷における電源開発の歴史の展示がある。また、受付のお嬢さんに技術的な質問をすると、適切な資料を探し出してくれる。ここで、黒部峡谷の複数のダムと複数の発電所の関係について尋ねてみたところ、見事な資料が出てきた。

資料によれば、昭和38年に完成した有名な黒部ダムからは、毎秒72トンの水が黒四発電所に送られている。このうち46トンは、新黒三発電所、新黒二発電所とカスケードして発電に使われ、小屋平ダムの下流で川に戻る。残りの26トンは仙人谷ダムの上流側に戻されている。

昭和15年に完成した仙人谷ダムからは毎秒34トンの水が黒三発電所へ、昭和11年に完成した小屋平ダムからは毎秒47トンの水が黒ニ発電所へ送られている。

ごくごく大雑把に言うと、毎秒70トンから90トンもの水が、本来の谷ではなく、人工の導水管を流れていることになる。宇奈月における黒部川の平均流量が毎秒13トン程度らしいので、何倍もの量であり、これこそダムの機能と言える。単位流量あたりの発電能力は黒四発電所が最も大きく、黒部ダムで生み出されている落差の大きさが伺える。

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GR DIGITAL III + SILKYPIX

大変な労力と犠牲を払って築きあげられ、今もトロッコ列車に頼って維持・管理されている黒部の発電所群だが、その発電容量の合計80万kW程度であり、110万kW級の標準的な1機の原子力発電所にも満たない。この状況に、小生は、この先、相当考え込むことになりそうである。

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GR DIGITAL III + SILKYPIX

富山地方鉄道の宇奈月温泉の駅は、トロッコ列車の駅よりもずっと質素である。地方鉄道と、関西電力お抱えの事業兼観光鉄道の力の差を見せ付けられたようにも思う。ただ、宇奈月温泉には、この質素な雰囲気が似合うし、山を降りてきた者の心を癒すものがあるようにも感じられる。

長々と黒部の風景をご紹介してきたが、たった2日の旅程だった。消化不良なぐらいに景色を堪能した。母も大満足だったようである。次回はもっと日数をかけて、もっと雄大な黒部を噛みしめてみたい。

ただし、身体の鍛錬や、山の知識が必須である。

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