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2009-11-30

何故NHKが「坂の上の雲」?

小生は司馬遼太郎のファンである。とは言えども、まだまだ読書の絶対量不足で著書のほんの一部を通読したのみである。その中でも「坂の上の雲」は高校生時代に愛読し今でもときおり読み返す。彼の日本近代史観が好きである。

この歴史観に異を唱える著作もいくつか本屋で見かけた。いろいろな見方があることは小生も受け入れられる。大学の講義で明治期の日本の朝鮮半島での行動について大激論になったこともある。

小生は日本が帝国主義の下に行動し、アジアの人々はその犠牲になったと理解している。犠牲を強いた点を遺憾に思う。しかしながら、当時の歴史の流れはほぼ必然であったとも思う。ヨーロッパ帝国主義にアジアが侵されつつある中で日本は新興の帝国主義で対抗した。日本の国益確保のため、これは合理的であったと思う。誤った行動をしていない点で謝罪の必要性は感じない。

ただし明治期に限った話であることを再度お断りしておく。また、あくまで小生個人の拙稚な知識と思考の結果を述べているのであって、司馬遼太郎の受け売りと批判されれば、まぁ、返す言葉もない。もっと他の結論も有り得るだろう。上述のとおり、他の意見があることは小生は受け入れられる。

昨日29日(日)から「坂の上の雲」のTVドラマの放映が始まった。NHKがこの製作に熱心に取り組んでいるようだが、いったい何故なのか? 不思議である。

NHKは近代日本史に関しておよそ正反対の2種類の番組を作っているように思われる。いわゆる自虐的と呼ばれる歴史観に沿う番組がある一方、「坂の上の雲」は日本の行動の合理性を強く主張するものである。NHKにはこのようなニ重性を許す文化があるのだろうか?

公益放送としてNHKのニュース報道は何とか中立性が保たれているように感じるが、日本近代史の歴史番組に関してここ2、3年のNHKの方向性はおよそ一貫性がない。国内やアジアの世論に奇妙な不安定を生じさせはしまいかと心配である。

NHKのドラマ制作が強く影響することは他の面でも感じられる。先に述べた司馬歴史観に異を唱える著作であるが、「坂の上の雲」のドラマ放映に便乗して販売されているのである。あまりに軽薄ではなかろうか? 本当に大事ならば、ドラマ化とは無関係に、もっと早い時期にアンチ司馬の著作が出ても良さそうなものである。この点でも、NHKの歴史観の二重性が本来重要な議論を浮薄なものにしてしまう可能性があり、小生は懸念する。

と、まぁ、難しいことは最初に全部吐き出させてもらった。

とにかく、阿部寛も本木雅弘も格好いい。司馬遼太郎の軽妙・愉快な文筆タッチを上手く表現するのは伊藤四郎の役作り、渡辺謙の語り口調ならではである。

ドラマそれ自体は楽しめる。

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