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2009-10-14

パリ―オルセー美術館(2)

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作品の展示については、もう「圧倒的」という表現しか出てこない。

個々の作品は印象派以降の名だたる画家のもので、小生は絵画には疎くコメントできないが、日本でも教科書や書物で見つけられたり特別展が開かれたものが多い。しかし、画家ごと時代・主義ごとに、まとまった数の作品をずらりと並べているところが贅沢の極みであり、そして、小生のような者にも「あぁ、絵画はこのように変化してきたんだな」と様式や画風の変遷を感じることができる。

そのような直感に訴える「説明力」を持った美術館である。

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GR DIGITAL III

ロートレックの下書きなどは、なにやら無造作に展示されているようにさえ見えてしまう。これを見たら、ますますムーラン・ルージュに行ってみたくなってしまった。ロートレックはこの劇場に入り浸って、劇場内の様子、踊り子をモチーフにして数多くの作品を残している。ロートレックは上流階級の出身だが、劇場に集まる(ロートレックから見れば)下層の人々、いわば底辺層とも言える踊り子達を見つめ続けた人である。踊り子との恋話もあるらしい。

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GR DIGITAL III

元駅舎のあちこちの空間を上手く利用して絵画が展示されている。非常に広い場所もあるが、混んでくるとじっくり鑑賞できないほど狭いところもある。朝一番に入館した小生は比較的ゆったりと観て回れたが、お昼過ぎになると大変混雑した。特にモネやミレーなど最も有名な画家のコーナーの混み具合を見ると、駅舎の流用に少し無理があるようにも思えた。

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GR DIGITAL III

小生は写真が好きだが、絵画を見ると、写真よりもはるかに柔軟性に富んだ芸術だと思う。描きたくないものは省き、描きたいものだけを表現することができる。色も画家自身が決めてキャンバスに載せていくことができる。全画面を一気に撮影できる写真に比べて、一筆ずつ作業を積み上げていく絵画作成の手間は大変なものである。そして驚くことは、そのような手間をかけつつ、写真技術や現代のコンピューター・グラフィクスのようなテクノロジーの発展を待たずに、画家たちは100年も200年も前から既に現在の映像芸術で用いられているようなモチーフや採光・陰影表現を取り入れて作品にしていることである。

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GR DIGITAL III

小生が一番ひきつけられた作品である。他の入館者にお願いして撮ってもらった。Fernand Cormonという画家の「Cain」と題する作品で、Victor Hugoの小説の一場面を描いたもののようである。1880年の製作。旧約聖書の創世記によれば、カインはアダムとイブの長男でまずは地を耕した。アベルはその弟で牧羊をする。2人で神に貢ぎ物をしたが、神はアベルの貢ぎ物を喜ばれたとされている。カインはこれを妬みアベルを殺めた。神はカインを罰したが、農作という糧を得る手段を奪い野を放浪させることのみとし、命を奪うことはせず、また、他の者がカインを罰することも禁じた。神は、他の者がカインを見誤らないように見間違いのないような印をつけたとされている。

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